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いなかの猫の天邪鬼部屋

第19話

OnAir~シーズン2・第19話~


#ヨンウンの仕事部屋前

(ソンミンの車のそばにソンミン、ヨンウン、ヘギョンが立っている。)

ソンミン : 御一緒出来て嬉しかったです。では...

ヨンウン : はい...それじゃ...。(ヘギョンに) じゃあね。

ヘギョン : (憂わしい) うん...連絡するね。

(ヨンウン、辺りを見回してから仕事部屋に入って行く。)


#ドリームハウス前

(ヘギョン、車から降りる。ソンミンも降りる。)

ソンミン : 今日はありがとうございました。それでは...

ヘギョン : はい...(入って行こうとしたが) あの..キム代表...

ソンミン : え?

ヘギョン : おせっかいだとは思うけど....もしかして...ソ・ヨンウン作家に関心ありますか?

ソンミン : (笑う) さっき話したじゃないですか。

ヘギョン : いえ...だから、異性として...ですよ。

ソンミン : (ヘギョンを見る) なぜです?

へギョン : (はっきりと) ソ作家には男性がいます。

ソンミン : (淡々と) イ・ギョンミン監督ですか?

ヘギョン : 分かっていらっしゃるんですね。あの二人は結婚するんです。

ソンミン : (下を見て無言)...(そして頭を上げ)...ソ・ヨンウンさんを不幸にさせる事はないはずです。

ヘギョング : (心細い)それはどういう意味なのか...

ソンミン : セリー・ジョンが不幸になる事は私も願わないから...

ヘギョン : (不吉な)......


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、窓の外だけ眺める。ミジュ、時々コーヒーを入れてやる。ヨンウン、ぼんやりした姿...)

(ヨンウン、電話を持っていじくる。電話を鳴らそうとしてはやめる動作を繰り返し...)

ヨンウン : (発信ボタン押す) ....

ギョンミン : (明るく) はい、ソ・ヨンウンの男、イ・ギョンミンです。

ヨンウン : (ギョンミンの声にむかっとする) 私...

ギョンミン : (笑う) ああ。食事は?

ヨンウン : (涙を浮かべたままにっこり笑い) 食べたわ。

ギョンミン : 本当?

ヨンウン : うん。本当...(声が震えて言葉を続ける事が出来ない)....

ギョンミン : ...どうして何も言わない?話があって電話したんじゃないのか?

ヨンウン :.... (目をきちんと開いて) 話なんてないわ。ただ、声が聞きたくて...(また声がだんだん無くなる)

ギョンミン : (心配になる)...大丈夫か?辛い事でもあったのか?

ヨンウン : (努めて涙を堪える) いいえ....辛い事なんて ...ただ、首に何かが掛かっているみたいで...

ギョンミン : 何だって?俺はまた...俺に会いたくて泣いてるのかと思ったのに。

ヨンウン : (電話の送話口を塞いで泣く) ...本当...とても...会いたい...

ギョンミン : (戸惑う) 本当に泣いてるのか?おい...


#安眠島、水曜夜

(ギョンミン、一人で海辺に立っている。電話を取り出し、電話する。)

ギョンミン : イ代表、俺です。...イ・ギョンミン。

ヘギョン : (ドキッとして) あ...イ監督。どうしたんですか?

ギョンミン : 聞きたい事があるんです。

ヘギョン : (ドキッ!) はい?何ですか?

ギョンミン : 今日の昼、ヨンウンに会ったんですか?

ヘギョン : はい...

ギョンミン : もしかして、何かあったんですか?

ヘギョン : はい?何の事です?

ギョンミン : 午後に電話が来たんですが、どうも変なんです。ミジュさんに聞いてみると、昼にイ代表に会いに外に出ていたと。仕事のためですか?

ヘギョン : (困って) あ、あの..監督。それが..あの..

ギョンミン : 何があったんです?俺は今遠くにいて、行ってやる事も出来ないんです。おっしゃってください。

ヘギョング : それが...ああ、ホントに...

ギョンミン : (心細い) イ代表...


#海辺

(ギョンミン、そわそわうろうろし、どこかに電話する。)


#ヨンウンの仕事部屋、夜

(ヨンウン、相変らず窓の外だけ眺める。)

ミジュ : 先生、あの.. 帰っていいですか?

ヨンウン : うん...

ミジュ : 大丈夫ですか?

ヨンウン : うん...

(ミジュ、心細い表情で出る。)

(ヨンウン、得体のしれない不安感に胸が苦しい...。机の上のギョンミンの写真を見て指で撫でる。不安感にまた涙ぐむ。)


#走るギョンミン。車の中へ

ギョンミン : オソク、俺だ。

オソク : はい、監督。

ギョンミン : 明日の朝には戻るから、俺の姿がなくても驚くな。

オソク : どこに行んですか?

ギョンミン : ソウル。

オソク : はい?おつかいなら僕が。

ギョンミン : おつかいさせるような事じゃない。行って来る。

オソク : はい?はい...行ってらっしゃい、監督...


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウンの電話、メール受信音が鳴る。)

ヨンウン : (呆然と見る) ...

"今どこ?仕事部屋?家?"

(ヨンウン、半分は呆然とし、半分は嬉しい顔でメールを入れる。)

"仕事部屋"

"分かった"


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、机の前に座っている。キーを押す音が聞こえてギョンミンが入って来る。ヨンウン、相変らず呆然とした顔でギョンミン見る。目の前にいるギョンミンが実感出ない。)

ギョンミン : (ヨンウンの前に立つ。ヨンウンの姿にじいんと熱くなる) ...会いたいって..?

ヨンウン : (ギョンミンの言葉にむかっとする)...うん..会いたかった...(涙が一粒流れる)

ギョンミン : (ヨンウンを立たせ、指で涙をぬぐってやる。) これじゃ俺はどこにも行けないだろ?...(暖かく抱いてやる。) こんなに泣いて...(心痛い。ヨンウンをしっかり抱え込んで) 辛かったか...?

ヨンウン : (ギョンミンの胸に抱かれて悲しく泣く) ギョンミン....


#仕事部屋の中

(ベッドの上。ギョンミン、ヨンウンに腕枕をしてやり横になった姿。)

ギョンミン : 何がそんなに悲しかったんだ?

ヨンウン : (にっこりと笑って)私もよく分からないの。...ただ...心細かったの...

ギョンミン : 何が心細いんだ?

ヨンウン : (ギョンミンを見て寂しく笑う) ただ...あなたが消えるような気がして...

ギョンミン : (笑う) 俺がどうして消えるんだ?

ヨンウン : (ギョンミンのシャツを掴む) ...(心細い目つきでため息をつく)...

ギョンミン : あの事か?ロンドン?...まだあの事が?

ヨンウン : (ギョンミンを見る)???

ギョンミン : 違うか。それじゃ...キム代表か?

ヨンウン : (驚く)!!!...どうして...分かったの?

ギョンミン : (暖かいほほ笑み。ヨンウンの頭を撫でてやり) 俺がソ・ヨンウンの事で分からない事があるものか。

ヨンウン : (安堵感に涙ぐむ)...全部...分かっていたの?

ギョンミン : 馬鹿だな...。俺の命で俺の運命である女を、俺が分からないわけないだろ。

ヨンウン : (涙を浮かべたまま笑う) 大袈裟ね。

ギョンミン : (笑う) 何が心細かったんだ?

ヨンウン : よく分からないの。説明出来ない。...ただ...誰かがあなたと私を引き離そうとするような気がして...きっとあなたを失う事になると考えて...(涙ぐむ)

ギョンミン : (ヨンウンを胸に抱いて) どういう事かは分かるよ...何も言うな...ほら、また泣く...

ヨンウン : (ギョンミンの愛に胸がいっぱいになる。ギョンミンの目を見て) どこにも行かない?一生一緒にいる?

ギョンミン : キム・ソンミンでもチャン・キジュンでも、絶対に俺たちを引き離せないようにするから心配するな!

ヨンウン : (笑う) そこにどうしてチャン・キジュンが出て来るの?

ギョンミン : 俺にとっては君の過ぎ去った縁は全部警戒の対象なんだよ!

(ヨンウン、ありがたくて胸が詰まる。)

ギョンミン : ところで...君は分かるか?

ヨンウン : 何?

ギョンミン : キム・ソンミンが言う、縁を装った偶然...ソ・ヨンウンの過ぎ去った縁の中に彼が...。そんな事は取るに足りない事だよ!ソ・ヨンウンは覚えてもいないじゃないか。そうだろ?

ヨンウン : (奇抜なギョンミンの言葉に笑いが噴き出る。) クックックッ....

ギョンミン : (そんなヨンウンをしばらく見て、真剣に) 偶然だから、縁だから。こんな言葉に俺たちは混乱する事があるだろう?...運命という言葉もそうだけど...。一つだけ (ヨンウンの目を眺めて) どんな瞬間にも忘れてはいけない事がある。

ヨンウン : (ギョンミンの目を見て) 何?

ギョンミン : 俺が君を愛しているという事。そして、ソ・ヨンウンはイ・ギョンミンを愛しているという事。死ぬまで。

ヨンウン : (胸が詰まる。にっこりと笑って) だからあなたは監督じゃなくて作家になりなさいよ。 私より言葉が上手なんだから。

ギョンミン : (微笑む) これは作った言葉じゃないよ。本気だから...

ヨンウン : (胸がいっぱいになり、頷く。) 分かった。絶対忘れない...(ギョンミンを見ながら笑う)

(ギョンミン、ヨンウンを眺めて暖かいキス...。ギョンミンの首にヨンウンの腕が絡みつき...)






(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



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